作品に寄せられたコメント

寺脇研 キムテジュン民主化政権が韓国映画を隆盛へ導く「韓流」時代に先立つこと20年、パクチョンヒ独裁政権が打倒された直後に起きた韓国映画の新しい波がこれだ。

村山俊夫 韓国映画史に輝くこの2作品は、軍靴に踏みにじられた時代の闇を突き抜ける、眩い希望の光でした。アンソンギの伝えるメッセージは、今も魂を揺する力がみなぎっています。

佐野良一 70~80年代「漢江の奇跡」の経済成長期の韓国、国民酒の座はマッコリから焼酎に移る。ストレスが大きくなり強い酒が求められたのだ。あの時、ジャージャー麺を食べて昼間から焼酎を煽っていた男たち、あれが『風吹く良き日』のトッペや『鯨とり』の親分ミヌだった。

黒田福美(女優) 今や隆盛を誇る韓国という国家と韓国映画の原風景、そしてこの時代を生きた人々の息吹をこの作品を通して感じていただけたらと思う。

佐藤結(映画ライター) 若者たちが見えない明日を求めて必死に生きる『風吹く良き日』と『鯨とり』。どちらの映画にも韓国の80年代がぎゅっと詰まっている。

田代親世(韓国エンタテイメントナビゲーター) みんな昔は若かった! ドラマのお父さん、お母さん役でおなじみの俳優たちの青春の日々がここにあり。 まさに、彼らの輝く歴史を感じることのできる映画たち。

景山理 (大阪アジアン映画祭事務局長) 現在の韓流ブームの原点はここにあり。 80年代、この2本に出会えたことは今の我々の原点となっている!

酒井正史 (新宿K's cinema 支配人) 『風吹く良き日』はグダグダの学生時代に観た。 『鯨とり』は社会にやっと潜り込んだ時に観た。 韓国にこんな熱い映画があったのかと驚いた。アン・ソンギに惚れた。

暉峻創三 (映画評論家) 頭打ち状況にある現在の韓流映画人にこそ見直してほしい作品。彼らはまさに本作の主人公世代だが、その心は『鯨とり』を忘れてしまったのか?!

辛淑玉(人材育成技術研究所) 韓国映画の特徴は、勧善懲悪の対極にある人間のゆらぎがあることだ。  80年代、苦難の韓国社会が生み出した表現手法のひとつで、見る人の受け止め方で結論が異なって感じられる。人はそれを哲学という。

林原圭吾 (『鯨とり』字幕担当) きっとこの映画は、2038年にも、1984年と同じ感動を、観る者に与えてくれるでしょう。

林三鎬(民団中央本部副団長) 『風吹く良き日』のリアルな貧しさが新鮮。『鯨とり』の躍動感。アナーキとも言える自由さは韓国がいわゆる「軍事独裁国」で無かった事を逆説的に示した必見の映画。

大高宏雄(映画ジャーナリスト) 表現の自由と人間の自由を求める映画の志の強さが圧巻。アン・ソンギが肉体化しえた軽妙さのなかの爆発力は、今の韓国映画から絶えて久しい。なぜなのか考えるいい機会の上映となるだろう。

佐々部清(映画監督) 『風吹く良き日』は、邦画の60~70年台のプログラム・ピクチャーを彷彿させます。一見他愛ない青春映画だが、根底にはさまざまな<強者と弱者>の対立を背景に、人間の力強さを描いている。

尾崎誠(衛星劇場) 「風吹く良き日」は青春映画であり、金銭では決して得ることのできない人間的誠実さを描いており爽やかです。「鯨とり」は軍事独裁政権が崩壊し、新たな社会が形成せれていこうとする時代の躍動を感じさせてくれます。今観ても色あせない力を持った作品です。

西脇英夫(映画評論家) 『風吹く良き日』は当時の韓国の変わろうとする部分と、変わらないままでいる部分の狭間の中で、先の見えない未来にいらだつ若者達の姿が、実に瑞々しくとらえられていて感動的でした。 『鯨とり』は何度見ても新鮮で、3人の登場人物がメチャメチャ素敵です。この頃の韓国映画も、ヒューマンでメッセージ性があって、いいですね。

宮内鎮雄(フリーアナウンサー) 『風吹く良き日』はお上りさん達の話や、地上げされた無知な人など、社会からはみ出してしまった人々を描いているのは大胆ですよね。若々しく瑞々しさにあふれた力強い映画でとても好きです。『鯨とり』は20数年ぶりに見直しましたが、あらためて昔の日活映画を思わせるフレッシュさを感じました。ロード・ムービーでも、こんなにエネルギッシュでパワフルなものはあまりないですね。

八幡薫(ライター) 『鯨とり』。鑑賞後、心にすーっと爽やかな一陣の風が吹き抜けた。見果てぬ夢を追いながら生きてゆくぞという強い意志、全編からほとばしる躍動感――。この時代ならではの風に、心地よく身を委ねたくなる痛快作。アン・ソンギはもとより、イ・ミスクの瑞々しさにも心震えた!

柴田メグミ(フリーランスライター) 若き日のアン・ソンギの姿を、十二分に楽しませていただきました。なかなか観るチャンスのない作品をスクリーンで堪能でき、おまけに当時の韓国の空気や文化などにも触れられて…。韓国&韓国映画に興味のある者にとっては、大変ぜいたくな時間でした。

平澤竹識(「映画芸術」編集部) 『風吹く良き日』は、青春映画とも社会派ともソフトポルノとも言えそうな混沌とした内容でしたけども、世の中も映画もどんどんシステマティックになるなかで、こういう大らかさとか伸びやかさが必要なんだよなあと感じました。

沢宮亘理(ライター) 『鯨とり』も『風吹く良き日』も、反権力、反体制のエネルギーがみなぎっていて、爽快な印象が残りました。やはり、アン・ソンギがいいですね。『風吹く良き日』は70年代日本の青春ドラマを彷彿させます。

米田郷之(書籍編集者・ライター) 『風が吹く良き日』ひとことで言えば、かつての人気TVドラマ「俺たちの旅」に、世間的重圧と、戦 後の匂い、貧富の格差、都会と田舎の差、そして緊張感などを加味し、すべての 要素の振れ幅をさらに濃く強くした──そんな感じ。ものすごくよかったです。少なくとも「昭和30年代」の日本で育った人なら絶対に胸打たれること必至。

斉藤典貴(ライター) これまで観てきた70年代の韓国映画は、苦しくなるほど暗いものが多かったのですが、80年製作の『風吹く良き日』は、リアルで、ユーモアもあり、あらためて、韓国映画の新しい1ページを開いた重要な作品だったことがわかりました。

黒田勝弘(産経新聞ソウル支局長) 映画『鯨とり』は他の韓国現代映画の多くがそうであるように、思想的には「失われた故郷」を求める話である。その故郷というのは物理的な故郷であると同時に、「人間性」とか「愛」とか「人情」といった精神的故郷のことでもある。

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