鯨とり ナドヤカンダ
- ストーリー
- ピョンテ(キム・スチョル)は、結婚するまで童貞を守ろうと考えているような内気でうだつのあがらない大学生。彼はひょんなことで出会ったインテリ浮浪者「親分」(アン・ソンギ)に連れて行かれた売春宿で、失語症の少女チュンジャ(イ・ミスク)と出会う。彼女と一夜を共にしたピョンテは、チュンジャが東海(日本海)の離島の出身と知り、彼女を救出して故郷に送り届けてやる決心をする。そして、売春宿の主人らに追われながら、3人の涙と笑いの逃避行が始まる。
- イントロダクション
- 題名である「鯨とり」とは、韓国語で「大きな目的を目指す、夢をつかむ」という意味の隠語。ミュージシャンとして有名なキム・スチョルが主役のピョンテを演じ、後に『情事』,『燃ゆる月』などに出演するベテラン女優イ・ミスクの若き日の代表作でもある。インテリ浮浪者を演じるアン・ソンギの躍動感あふれる演技が観るものの記憶に残る。
- 監督:ぺ・チャンホ
- 原作・脚本:チェ・イノ 製作:ファン・ギソン
- 撮影:チョン・グァンソク 音楽:キム・スチョル
- 出演:アン・ソンギ、キム・スチョル、イ・ミスク イ・テグン
[1984/韓国/カラー/シネスコ/112分]
©黄奇性事團
※このたびのリバイバル上映にあたり、1984年日本公開時の『鯨とり コレサ二ャン』から、主題歌タイトルの『ナドヤカンダ』へと副題のみを変更し、ニュープリントにて上映いたします。再編集等は行っておりません。
第4回(1984)映画評論家協会賞 最優秀作品賞・監督賞(ぺ・チャンホ)
第20回(1984)百想芸術大賞 大賞・作品賞・新人演技賞(キム・スチョル)
第1回(1985)東京国際映画祭出品作品
- ぺ・チャンホ監督
- 1953年5月16日大邱生まれ。少年の頃から映画ファンで、延世大学在学中に8ミリ映画や演劇を手掛ける。卒業後、総合商社のナイロビ支店長を務めるが、映画の夢が捨て切れず帰国。高校の先輩にあたるイ・ジャンホ監督の助監督になる。1982年、ソウルのスラム街に生きる人々を描いた『コバン村の人々』で大鐘賞・監督賞、韓国演劇映画芸術賞・監督賞を受賞して華々しいデビューを果たす。以後アン・ソンギとともに80年代韓国ニュー・ウェーブの潮流を確固たるものにしてゆく。
代表作
『コバン村の人々』(1982)
『鉄人たち』(1982)
『赤道の花』(1983)
『鯨とり』(1984)
『その年の冬は暖かかった』(1984)
『ディープ・ブルー・ナイト』(1985)
『黄真伊』(1986)
『素晴らしきわが青春の日々』(1987)
『神様こんにちは』(1987)
『夢』(1990)
『天国への階段』(1991)
『若い男』(1994)
『ラブストーリー』(1996)
『情』(1999)
『黒水仙』(2001)
『道』(2004)
- イ・ミスク
- 1960年4月2日忠清南道生まれ。1978年ミスロッテ選抜大会を通じて芸能活動を始め、1980年『火の鳥』(イ・ギョンテ監督)で大鐘賞・新人賞を受賞して注目される。1984年『その年の冬は暖かかった』(ペ・チャンホ監督)で大鐘賞・女優主演賞を受賞。その後多くの話題作に出演し、1980年代の韓国映画界を席巻した。結婚後、映画界を離れていたが、1998年『情事』(イ・ジェヨン監督)で、年下男性と愛しあう人妻役を演じ、中年女性の心理を繊細に表現し、好評を得て以後、第2の全盛期を迎えている。
代表作
『野生馬』(1982/ユ・ドンフン監督)
『変な関係』(1983/イ・ドゥヨン監督)
『桑の葉』(1985/イ・ドゥヨン監督)
『冬の旅人』(1986/カク・チギュン監督)
『有情』(1987/キム・ギ監督)
『二人の女の家」(1987/カク・チギュン監督)
『ペサメムーチョ』(2001/チョン・ユンス監督)
『スキャンダル』(2003/イ・ジェヨン監督)
『お熱いのがお好き』(2008/クォン・チリン監督)
- キム・スチョル
- 1957年4月7日生まれ。70年代末、大学生バンドグループ「小さな巨人」で颯爽と登場し、小さな体から繰り出される情熱的なサウンドとステージングで多くのファンを熱狂させる。80年代にはソロ歌手としても活躍し、「咲かなかった花一輪」「若き君よ」「我も行かん」など、数多くのヒット曲を生む。1986年アジア競技大会、1988年ソウルオリンピック、2002年日韓FIFAワールドカップ開幕式などの国際的なイベント音楽の作曲と音楽監督を担当。2004年にはソウル歌謡大賞・ライブ賞を受賞。映画音楽も精力的にこなし、本作の他に、『チルスとマンス』(1987/パク・クァンス監督)、『シルバースタリオン』(1991/チャン・ギルス監督)、『風の丘を越えて』(1993/イム・グォンテク監督)、『太白山脈』(1994/イム・グォンテク監督)、『祝祭』(1996/イム・グォンテク監督)などがある。映画出演を果たしたのは本作のみ。
- イ・テグン
- 1943年7月1日生まれ。韓国を代表する名バイプレイヤー。1968年『第3地帯』(チェ・ムリョン監督)でスクリーンデビュー後、1970年代は恵まれた体を生かし任侠映画、アクション映画で大活躍した。1980年『カッコーは夜中に鳴く』(チョン・ジヌ監督)では大鐘賞・男優主演賞ほか、賞を総なめにし話題となる。『桑の葉』(1985/イ・ドゥヨン監督)では、『鯨とり』に続いてイ・ミスクと共演し、息の合ったところを見せた。娯楽映画の顔として一世を風靡し、100本以上の映画に出演。2006年には『イ・テグン、イ・テグン』(シム・クァンジ監督、主演イ・テグン)という映画が作られるほど韓国で愛されている俳優である。
代表作
『長雨』(1979/ユ・ヒョンモク監督)
『シムバッタ』(1979/チョン・ジヌ監督)
『カッコーは夜中に鳴くのか』(1980/チョン・ジヌ監督)
『桑の葉』(1985/イ・ドゥヨン監督)
『ジャガイモ』(1987/ピョン・ジャンホ監督)